【いしのまき演劇祭対談④】作品紹介 「R」「銀河鉄道の夜(water) / ヒマちゃんの気持ち」

「何か演劇祭っぽい企画を…」といって行われた、いしのまき演劇祭の参加団体の代表による対談。

それぞれの作品の見どころや内容を紹介していただきました。

 

4番目は、2012年以降、不定期に石巻でイベントを重ねてきた「R」。

今回はvol.12ですが、実質的には16回目となります。

 

主宰の矢口さんにお話を伺いました。


語り手:

矢口龍汰(「R」)

 

都甲マリ子(スイミーは まだ 旅の途中)

北村耕治(猫の会)

菊池佳南(コマイぬ)

 

矢口「「R」は2日間でふたつの作品をやります。

1個は、『銀河鉄道の夜』をもとにした空間を作ろうと。

 

 

「R」って劇団じゃないので、

今までイベントの形で絡んでくれてたミュージシャンとか劇団さんとかがいます。

いつか、それらのみんなでつくる空間として1個の作品をやりたいと前から思ってて。

 

 

もう一つは、銀河鉄道をいつかやりたいって思ってたのもあって。

2012年にも1回銀河鉄道はやったんですよ。

市街劇って言って、いろんな街のいたるところで

ゲリラ的にやって。

ちょうどそれが7月31日で(川開き祭りの前夜祭の日)

最後花火あがるときにクライマックスを迎えようと思ってたら

予想より花火早くはじまっちゃって。

 

 

バンバンバンバンやってて、全然聞こえなくなっちゃってて。

悔しかったなあ。

 

全部終わったときに花火あがり始めるって計算でやったのに……

 

で、またいつかやりたいと思ってて。

その前哨戦として、夢まき座の看板女優のジョディさんと

宮澤賢治の作品をいくつかやりました。

よだかの星とか、セロ弾きのゴーシュとか。

 

 

 

そして、いつか満を持して銀河鉄道をもう1回やろうって思ってて。

 

 

 

そのときには、今回誘った劇団、

キコ/qui-co.の小栗さんとかに一緒に是非やってもらいたい。

そして、アーティストの方々も、BLASHって方とかいるんですけど、一緒にやりたいなと思っていて。

それをとこーから今回の演劇祭の話がきたときに、「この時だ」って思って

 

23日は『銀河鉄道の夜』をやることになりました。

 

もう1個、24日は、『ヒマちゃんの気持ち』っていう絵本があるんですけど。

(石巻市)門脇町ってところ津波のあとに咲いたヒマワリの話。

以前、石巻の新柵ひろ子さんという方が絵本にしたんですけど、

前から絵本じゃなくて演劇にしてよって話をしてくれてて。

 

 

今回も、楽団ひとりくんが出演者で出るんだけど

楽団さんと新柵さんがまた動き出そうって言ってたんだって。

俺もちょうどそのあとぐらいに、やってよって言われて。

 

 

そしたら、とこーから「演劇祭やります」って連絡が来て、運命みたいに思って。

で、銀河鉄道とヒマちゃんはどっちも夏の話なんです。

 

タイミング全部重なったから、もう「全部やろう」ってなったんですね。

 

それぞれの作品の内容については、俺はもう

演出を小栗さん(キコ/qui-co. 『銀河鉄道の夜』)と荒川チョモランマの長田さん(『ヒマちゃんの気持ち』)に任せてあるんで。

内容はまだ俺もどうなるかは分かんないんだけど

音楽だったりダンスだったり芝居だったりが
全部混ざった空間になるんじゃないかなと」

 

 

 

都甲「出演者のいろんなスキルを

演出が全部コーディネートするってことですか」

 

 

 

矢口「そうです」

 

 

 

都甲「すごいなそれ」

 

 

 

矢口「ただライブやります、じゃなくて

『銀河鉄道の夜』で言ったら歌ってる人も

一乗客になってるかもしれないし。

空間自体が作品だから」

 

 

 

菊池「すごいなあ。

ぜったい面白いだろうなあ」

 

 

 

矢口「だから、演出家には無茶ぶりしちゃったんだけど。

どうつくり上げてくれるのか、楽しみだよね」

 

 

 

都甲「そうですよねえ」

 

 

 

矢口「でも、それを多分可能にしてくれるふたりだと思うんで。

小栗さんは宮澤賢治好きで、『銀河鉄道の夜』に適任だし、

長田さんもずっと、「R」のvol.1のときから一緒にやってくれていて、

その中で南浜町をテーマにした話も書いてくれてて。

『ヒマちゃんの気持ち』をやってもらうのは

信頼感がないと任せられないっていう。

 

 

 

いま、この話してるのは6月なんですけど

演出家2人はすごい悩んでると思う。

この前も、石巻に行ってきて取材して

すごく苦しみながら作ってると思います」

 

 

 

都甲「稽古はどうやってやるんですかね」

 

 

 

 

矢口「稽古はね、しなくても大丈夫なようにする。

ミュージシャンにそこで歌ってもらえば、できるように」

 

 

 

都甲「そこに余白があって」

 

 

 

 

矢口「なんか小栗さんがこの前直弥に

スモークマシンての頼んでたんだけど、どうなるかって

スモークマシンやらプロジェクターやら

IRORIがなんか奇跡な空間になると思います」 

都甲「楽しみだなあ。2日とも演目が違いますからね。

ミュージシャンはみんな同じ人が出るんですか」

 

 

 

矢口「ミュージシャンはまだ決めてなくて。

演出がこのミュージシャンのこの楽曲を使いたいっていうのがあったら、

そこに合わせてやってもらう、っていう方針です。

 

 

その中で俺の方からそれぞれ1曲ずつ、

ぜひ使って欲しいって言った曲があって。

 

 

石巻市でお昼に流れるチャイムの音と

夕方に流れるチャイムの音。

石巻人は多分聞いたらお昼の気持ちになったり、

夕方の気持ちになったりするんだけど」

 

 

菊池「あれですか、あの

スピーカーから町内に流れる」

 

 

矢口「そう、スピーカーから流れるやつ」

 

 

 

菊池「なんかその話コマイぬでもしてた

なんか石巻はこの音楽って」

 

 

矢口「そうそう、お昼には『椰子の実』って童謡が流れて

夕方には『家路』遠き山に日は落ちて、

あれが流れるんだけど

銀河鉄道では『家路』を

ヒマちゃんでは『椰子の実』を使ってって言っていて。

 

 

この音楽をこの前石巻で聞いてきたんですよ、

12時に浜で、鳴るよって。

そうしたらやっぱね、音聴いて、すごく懐かしい気分になったり

住んでる人たちと共有できるものがあるなあと思って。

 

 

 

それが、完成後どうなってくるか自分も楽しみなんですが」

 

北村「じゃあ矢口くんは総合プロデューサーな感じなの」

 

 

 

矢口「今回はそうですね。

この前は石巻で打ち合わせしたあとに

うちに来て、最後までずっとしゃべってて。

直弥と俺と長田さん小栗さんで。

 

直弥は途中で酔っぱらって椅子から落ちて寝て

でもいろいろ話してたかなあ」

 

 

 

都甲「んー、いや楽しいですねえ」

 

 

 

矢口「ミュージシャンもそれぞれすごくいい人たちばっかりで

面白い人たちばっかなんで」

 

 

 

都甲「「R」が連れてくるミュージシャンはすごくよくて、

その後も継続的に石巻に関わってくれる人がすごく多いし、

石巻にもファンが出来てますよね」

 

 

 

矢口「そうですね」

 

 

 

都甲「はい、ありがとうございます。

 

 

この作品紹介はホームページに載せようと思うんです。

で、そっちの前の話をパンフレットに載せようかなあっていう

のを、いま決めました(笑)

じゃあ今日はありがとうございました」

 

 

 

一同「ありがとうございました」

 

 

 

都甲「長い時間」

 

 

 

矢口「東大で」

 

 

 

都甲「東大のキャンパスですね」

 

 

 

矢口「ちょっと偏差値あがった気がする。

 

この空気吸って(笑)」